大人になってからの矯正治療では前歯がかなり出ている状態だと、従来の矯正治療法では前歯を引っ込めて、美しい歯並びまで持って行くことが困難でした。

そのように前歯がかなり出ている状態を改善しようと思えば、ヘッドギアをつけるしかありませんでした。1日10時間もヘッドギアをつける生活を2年近くも送ることは大人には困難です。ですので、かなり出ている前歯を従来の矯正治療法で引っ込めるのは難しかったのです。

しかし、新たな技術によって、大人の方でも、前歯を引っ込めて、美しい歯並びを手にすることが出来るようになりました。それが「歯科矯正用アンカースクリュー」なのです。

歯科矯正用アンカースクリュー

そして、さいとう矯正歯科クリニックでは、この歯科矯正用アンカースクリューを導入しています。しかし、この歯科矯正用アンカースクリューは従来の矯正治療と同時並行で行うことが多い治療法で、これだけで美しい歯並びが手に入るわけではありません。

一般的な歯科のインプラントとは、ムシ歯や歯周病で、歯を失ってしまった部分に、チタン合金で作られている人工の歯を、歯茎の中に埋め込み、失ってしまった歯と同じように使うことが出来るという、歯科治療の中では最先端の治療です。

歯科矯正用アンカースクリュー治療とは、歯を動かすために歯茎の中にチタン合金を埋め込み、そのチタン合金から歯に力を加えて、歯を動かす方法をいいます。
その矯正治療で使用するチタン合金は歯科矯正用アンカースクリュー(直訳すると歯茎の中に入れる固定源)といわれています。

歯の治療でインプラントという言葉を聞いたことがある方は多いと思いますが、歯科矯正用アンカースクリューと普通のインプラントは、まったくの別ものと考えてください。

ではなぜ歯を動かすのに、歯科矯正用アンカースクリューというチタン合金から力を加えることが有利になるのでしょうか。

歯の移動は、歯と歯の間に力を加えて、歯を動かしていきます。
その結果、装置が付いている全ての歯が動いていきます。

通常の歯の移動

動かしたくない歯と動かしたい歯がある場合などに、インプラント治療が有利に働きます。
例えば、前歯の位置を後ろに移動したいときは、前歯を後方に動かして、奥歯は動かないことが理想になりますが、歯と歯の間で力を加えると、前歯は後方へ移動しますが、奥歯は前方に移動してしまうので、奥歯が前方に移動してしまった距離だけ前歯の移動距離が小さくなってしまいます。


歯科矯正用アンカースクリューでの歯の動き

歯が力を加えた方向へ移動するのは、生きている細胞が反応する結果、歯は動いていくからです。
歯科矯正用アンカースクリューは生きている細胞ではないので、力を加えても反応を起こしません。
歯科矯正用アンカースクリューから前歯を引っ張ると、前歯が移動するのに対して、歯科矯正用アンカースクリューは動きませんので、より多くの距離を前歯は後方に移動出来るのです。

この歯科矯正用アンカースクリューをオプションとして加えることで、より強い力で、より前歯を引っ込めることが可能になるのです。ですので、成人矯正においては歯科矯正用アンカースクリューを併用することが多くなるのです。

治療例で説明すると、前歯が前方に出ていて、なるべく前歯を後方へ移動したい歯並びです。

このような歯並びの多くは、犬歯の後方にある第1小臼歯という歯を抜いて、その抜いた隙間を歯の移動で、なくしていきます。
例えば歯を抜いた幅が8ミリであれば、前歯は8ミリ後方へ移動できることになります。
しかし、通常の歯科矯正用アンカースクリューを使わない移動の場合は、前歯が半分後方へ移動して、奥歯が半分前方に移動することになりますので、結果的に4ミリしか前歯を後方に移動できません。

ではこの写真のように歯科矯正用アンカースクリューから前歯を後方に移動する場合は、歯科矯正用アンカースクリューは動かないので8ミリの距離を最大限後方へ移動できることになります。
上の奥歯の歯茎に歯科矯正用アンカースクリューを埋めてあるのが写真に写っています。

歯科矯正用アンカースクリューを使用して前歯を後方に移動したので、前歯が大幅に後方へ移動し、唇のラインがスッキリしたのが分かると思います。

このように前歯を後方に移動させる時に歯科矯正用アンカースクリューは有効です。

また、なるべく歯を抜かないで治療をしたい方にも、歯科矯正用アンカースクリューは有効です。
歯科矯正用アンカースクリューから、奥歯を後方に移動する力を加えることが出来るので、歯を並べるスペースを作ることが出来るからです。
今までは抜かなければ出来なかった治療が、歯科矯正用アンカースクリュー治療により、抜かずにできる割合が増えてきました。
ただし全員を抜かずにできるということではありません。

歯科矯正用アンカースクリューは、チタン合金とはいえ、異物を歯茎の中に植えるのですから、痛みや違和感がどれくらいあるか、気になると思いますので説明します。

斎藤伸雄 痛みに関しては、歯科矯正用アンカースクリューを植える際は、痛みが出にくいように麻酔を行います。
麻酔が切れてくると、少し痛みを感じることがありますが、痛み止めを服用していただき、痛みを抑えます。
痛みは2日間程度続くことがありますが、歯の治療をしたことのある方なら誰でも経験する程度の痛みだと考えてください。

違和感に関しては、少し感じることもあるようです。
歯科矯正用アンカースクリューが頬の内側の粘膜に当たり、傷になったり口内炎が出来ることがありますが、歯科矯正用アンカースクリューにゴムなどでカバーして、なるべく防ぐようにしています。

このように、歯科矯正用アンカースクリューでは、今まで不可能だった歯の移動が出来るようになったため、近年では使われる頻度が多くなってきました。
ただし、歯茎の中に異物を埋入するのを嫌がる方も、もちろんいらっしゃいますので、歯科矯正用アンカースクリューを行う前は、丁寧に説明し、患者さんに決めていただきます。
歯科矯正用アンカースクリューをしないと決定される患者様ももちろんいらっしゃいます。

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